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技術開発

誰からも
教わることができない技術

アルギン酸の製造技術や分析技術。
それは誰からも教わることができない技術です。
アルギン酸のパイオニアとして、
技術革新に挑み続けます。

引き継がれる独創性

第二次世界大戦下、当社は日本で初めてアルギン酸の工業的製法を確立しました。
当時、アルギン酸を作るための設備が売られているはずもなく、酒蔵や醤油工場、排水処理場の設備を組み合わせて改良した手作りの生産ラインでした。自然の摂理をうまく利用し、エネルギー消費を最小限に抑えた独創的な製造方法は、いかにも旧式と揶揄された時代もありましたが、今ではどこよりも環境に優しいサステナブルな生産方法として高い評価を受けています。
こうした創業の精神は、いまなお脈々と引き継がれています。
先輩たちが時間を掛けて築き上げた「ひとと地球にやさしい独創的な生産スタイル」は継承しつつ、より低コストに、環境負荷を抑え、高品質な製品を生み出すための技術革新に挑み続けています。

誰からも教わることができない技術

2014年、当社は世界で初めて注射剤用原薬アルギン酸工場を設立し「低エンドトキシンアルギン」の実用化に成功しました。
「低エンドトキシンアルギン」とは、注射などで直接体内に投与できるまでエンドトキシン(発熱性物質)を十分に低減したアルギン酸であり、この実用化によってアルギン酸の用途が一気に拡大しました。
この素材は、再生医療や3Dバイオプリンタなどの先端研究でも注目されており、人の命を救い、健康を守り、痛みを和らげる素材として世界で活躍しています。
特徴的でユニークな物性を有するアルギン酸に、一般的な低エンドトキシン化技術(エンドトキシンを取り除く技術)を適用することはできません。
加熱処理をすれば物性が失われてしまい、強い粘性ゆえに濾過装置に通すこともできないからです。
こうした制約条件のもとでの低エンドトキシン化は、まさに“誰からも教わることができない技術”でしたが、当社の技術スタッフが英知を結集し、ゼロから製法を開発したのです。
この事例は、創業以来引き継がれる “独創的な研究開発精神”を体現するものと言えるでしょう。

分析技術の開発

低エンドトキシンアルギンをはじめとする医療分野への取り組みには、製造方法や品質を磨くこと以外に、素材を正しく評価する分析技術の確立も欠かせません。天然海藻が紡ぎ出した高分子であるアルギン酸は、その構造や分子量も一様ではなく、これに基準を設けて管理することは至難の業です。
また、アルギン酸の利用方法はいずれもユニークで、実用化にあたってはその独特なパフォーマンスを一定のレベルに合わせることも要求されます。
こうした難易度の高い品質管理を実現するためには、精度や再現性に優れ、アルギン酸に特化した高度な分析技術が必要です。
単に高価な分析機器があれば良いわけではなく、アルギン酸の特性を正しく理解した者が、実用物性を見据えた的確な評価方法を考案しなくてはなりません。
キミカでは、試験法自体の妥当性も十分に評価しながら、製品の評価に足る独創的な分析技術の確立に取り組んでいます。これもまた、誰よりもアルギン酸を熟知した者のみが為し得る研究開発のひとつです。

加工食品の進化を支える研究開発

ライフスタイルの変化とともに、常に進化を続ける加工食品。冷蔵しても硬くならないパン茹でずに食べられる麺、加熱しても煮えない卵など、あり得ないと思われていた食品が次々に実現され、私たちの豊かで健康な食生活を支えています。
また持続可能な社会の実現に向けて、食べ物のあり方も大きく見直されるようになりました。
温室効果ガスの発生を抑え、天然資源を最大限に有効活用するために、植物性たんぱく質や食用昆虫、培養肉など、これまでの食文化にはない素材が取り上げられ、これを美味しく食べるための研究開発もさかんです。
こうした全く新しい特性を持つ加工食品の数々に、アルギンが利用されています。開発の過程で私たちの製品を試していただくためには、食品技術者と同じ目線で提案できる加工技術が必要です。
キミカは自社のフードラボに食品加工のための各種設備と、その技能に長けた人材を配置し、本職のお客様にご評価いただけるデータやサンプルを提供しています。
キミカは、アルギンをはじめとする自社製品のメリットを余すところなくPRし、またお客様との試行錯誤を繰り返しながら、今までにない加工食品の実現に貢献しています。