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ベーカリー

アルギンはパン生地の物性を改良します。対粉0.1~0.2%程度のアルギンを小麦粉に混ぜるだけで生地の保水力を向上し、小麦粉中のタンパク質に働きかけてパンの組織を強化します。焼成後には全体がふっくらと膨んでボリュームが増し、つぶれにくいパンが出来上がります。

アルギン比較:加水量アップ

加水量アップ

製パン時の作業性を損なうことなく、生地への加水量を増やします

アルギン比較:加水量アップ

アルギンを対粉0.1~0.5%ほど加えることで、パン生地の加水量を通常より3~5%増やすことができます。アルギンを使わずに加水量を増やした場合、生地がべたついてまとまらず、製パンが困難になりますが、アルギンを加えることによってべたつかず、伸びの良い良好な生地になります。
また、加水量の多いパンは焼成後に潰れやすくなりますが、アルギンを加えることで弾力が増し、潰れにくく形の良いパンに仕上がります。

【使用するアルギン】
アルギン酸エステル(商品名:昆布酸501)
昆布酸501
製パン・製菓用品質改良剤
アルギン酸エステル総合カタログ
【推奨使用量】
対粉0.1~0.5%

アルギン比較:焼成後の容積アップ

容積アップ

底だまりせず均一に膨らみ、パン全体の容積が向上します

アルギン比較:焼成後の容積アップ

アルギンを加え、さらに加水量を増やした生地を焼成すると、通常よりもパンが大きく膨らみます。丸パンは腰持ちが良くなり、底部からしっかり持ち上がって高さのあるパンになります。

【使用するアルギン】
アルギン酸エステル(商品名:昆布酸501)
昆布酸501
製パン・製菓用品質改良剤
アルギン酸エステル総合カタログ
【推奨使用量】
対粉0.1~0.5%

アルギン比較:サンドイッチ

弾力性と食感の向上

潰れにくくなり、チルド流通しても食感を損ないません

  • アルギン比較:YouTube

アルギンを配合したパンは、いったん潰れても元の形に戻る、いわゆる復元性が向上します。

サンドイッチのようにチルド流通されるパンは、冷蔵温度でも柔らかさを保つように加工されています。しかし柔らかいパンは潰れやすく変形しやすい上に、噛むとクチャつくような食感になりがちです。
アルギンは柔らかい生地でもしっかり膨らませ、適度な弾力性を与えますので、サンドイッチが潰れず、きれいな形を保ちます。また口の中でもクチャつかず、歯切れの良い食感になります。コンビニやスーパーの店頭に並ぶチルド流通品のサンドイッチには欠かせない存在です。

【使用するアルギン】
アルギン酸エステル(商品名:昆布酸501)
昆布酸501
製パン・製菓用品質改良剤
アルギン酸エステル総合カタログ
【推奨使用量】
対粉0.1~0.5%

アルギン比較:焼き立てパン

外観と棚持ちの向上

シワ、へたり、ヒビ割れを防ぎ、焼きたて新鮮さを維持します

アルギン比較:焼き立てパン

焼成後のパンは、時間経過とともに萎んでシワが寄ったり、形がだれてしまったりるすことがあります。しかし、アルギンを配合したパンは焼きたての形状を長時間維持して、商品価値を高めます。開放された棚に陳列するパンでは「棚持ちが良い」と評価されています。

【使用するアルギン】
アルギン酸エステル(商品名:昆布酸501)
昆布酸501
製パン・製菓用品質改良剤
アルギン酸エステル総合カタログ
【推奨使用量】
対粉0.1~0.5%

アルギン比較:ケービング防止

ケービング防止

パン全体の弾力性が増し、焼成後も萎みにくくなります

アルギン比較:ケービング防止

焼成後に萎みやすいパンは、側面に深い凹みができて形状が損なわれます(この現象を「ケービング」と呼びます)。アルギンを配合することでパン全体の弾力性が増し、焼成後に萎みにくくなるため、ケービングを防ぐことができます。

【使用するアルギン】
アルギン酸エステル(商品名:昆布酸501)
昆布酸501
製パン・製菓用品質改良剤
アルギン酸エステル総合カタログ
【推奨使用量】
対粉0.1~0.5%

アルギン比較:作業性向上

作業性向上

ドッグロールが割れにくくなり、パンくずの発生を抑えます

アルギン比較:作業性向上

アルギンの配合によってパンに適度な弾力性が与えられるため、パンを加工する際の作業性が向上します。例えばドッグロールに切れ目を入れるとき、蝶つがいの部分がちぎれたり割れたりしにくくなり、歩留まりが向上します。またスライサーでパンを切るときのパンくずが大幅に減ります。

【使用するアルギン】
アルギン酸エステル(商品名:昆布酸501)
昆布酸501
製パン効率アップ
製パン・製菓用品質改良剤
アルギン酸エステル総合カタログ
【推奨使用量】
対粉0.1~0.5%

アルギン比較:フィリングの離水防止

離水防止

具材から染みだす水分を抱え込み、外に逃がしません

アルギン比較:フィリングの離水防止

あんこ、フラワーペースト、カレーなど、パンの中に包む具材(フィリング)から染み出す水分によって、パン生地が濡れてしまったり、蒸発した水分で生地がパンクしたりすることがあります。アルギンは具材から染み出す水分をゲル状にして抱え込み、外に逃がしません。

【使用するアルギン】
アルギン酸ナトリウム(商品名:昆布酸421、昆布酸431)
昆布酸421、昆布酸431
ベーカリーフィリング
【推奨使用量】
全重量の0.1~0.5%

アルギン比較:フォンダンの改良

フォンダンの改良

固まるまでの時間が短縮し、湿気による「泣き」も防ぎます

アルギン比較:フォンダンの改良

パンに上掛けするフォンダン(白いクリーム状の糖衣)にアルギンを配合すると、固まるまでの時間を短縮するとともに、湿気による「泣き」を防ぎます。

【使用するアルギン】
アルギン酸ナトリウム(商品名:昆布酸421、昆布酸431)
昆布酸421、昆布酸431
フォンダン
【推奨使用量】
全重量の0.1~0.5%

アルギン比較:レンジアップ耐性

レンジアップ耐性

レンジで温めても、ソフト感と弾力性を維持します

アルギン比較:レンジアップ耐性

冷蔵あるいは冷凍保存されたパンやドーナツを電子レンジで加熱すると、表面にシワが寄ったりふやけたりすることがあります。アルギンを配合したパンはレンジアップした後にもソフトで弾力性のある食感を維持することができます。アルギンを使えば、電子レンジでチンしてもふやけず軟化しないホットドッグやハンバーガーを商品化することができます。

【使用するアルギン】
アルギン酸エステル(商品名:昆布酸501)
昆布酸501
アルギン酸エステル総合カタログ
【推奨使用量】
対粉0.1~0.5%

アルギン比較:吸油抑制

吸油抑制

油切れが良くなり、カロリーが下がり食感も改善します

アルギン比較:吸油抑制

ドーナツ生地にアルギンを配合すると、油ちょう後の油切れが良くなり、ドーナツ中に残る油の量が減ります。その結果、油によるベタつきや食感の悪化を防ぎ、摂取する油の量を減らすことができるとともに、調理に使う油も削減することができます。

【使用するアルギン】
アルギン酸エステル(商品名:昆布酸カラット)
吸油抑制
アルギン酸エステル総合カタログ
【推奨使用量】
対粉0.2~1%

アルギン比較:米粉パン

米粉パン・低糖質パン

小麦粉を使わなくても、ふっくらと形良く膨みます

アルギン比較:米粉パン

米粉パン

米粉は小麦粉よりも吸水性が高く、またグルテンがない分、パンに加工しても膨らみにくい性質があります。アルギンは米粉を配合したパンを形良く膨らませるとともに、口溶けの良い食感を与えて商品価値を高めます。

アルギン比較:低糖質パン

低糖質パン

糖質を低く抑えるために、大豆やふすまなどを主原料にしたパンは、膨らみにくくいびつな形になりやすい性質があります。アルギンを使うと、こうした低糖質パンも形良く膨らませることができます

【使用するアルギン】
アルギン酸エステル(商品名:昆布酸501)
昆布酸501
グルテンフリーパン
製パン・製菓用品質改良剤
アルギン酸エステル総合カタログ
【推奨使用量】
対粉0.5~1%

アルギンによる品質改良のメカニズム

Column

アルギンによる品質改良のメカニズム

品質改良のメカニズム

※グルテンネットワークを黄色く色付けしております
(イメージ)

アルギンは小麦粉中のタンパク質に働きかけ、生地中に形成されるグルテンのネットワーク構造を均一で密な状態にすることが確認されています。この緻密なグルテンネットワークがパンや麺の構造をしっかりと支え、弾力性や歯ごたえを高める働きをしていると考えられます

アルギンによる吸油抑制のメカニズム

Column

アルギンによる吸油抑制のメカニズム

ドーナツ表面

ドーナツ表面

アルギンを加えていないドーナツには、表面には浮き出た油分(写真では濃いグレーの帯)が目立ちます。一方アルギンを加えたドーナツは表面に油分が浮いていません。これがベタつきの解消とさっぱりした食感をもたらしていると考えられます。

ドーナツ内相

ドーナツ内相

アルギンを加えていないドーナツの内相は気泡が粗く不均一で、生地の壁も厚めです。
アルギンを加えることで、ドーナツ内層の気泡が細かく均一になり、生地の壁も薄くなっています。このことが、生地の吸い込む油分を減らす効果につながっています。

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