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アルギン酸カルシウム

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特徴

アルギン酸の構成糖であるウロン酸は、1ユニットに1つずつイオン交換性に富むカルボキシル基を持っており、これが様々な陽イオンと結びつくことで、特長ある性質を持つ塩を作ります。
アルギン酸カルシウムは、アルギン酸のカルボキシル基にカルシウムイオンが結合した形の塩です。カルシウムイオンは2価のカチオンなので、2つのカルボキシル基にまたがるかたちで結合(イオン架橋)します。
その結果、アルギン酸カルシウムは他のアルギン酸塩類と異なり、水に溶けない性質の塩となります。

アルギン酸カルシウムそのものを食品に利用する例は海外でもあまり多いとは言えません。
しかし、実際にはアルギン酸ナトリウムをゲル化剤として利用する際、カルシウム塩を加えて作られたゲルの成分はアルギン酸カルシウムになっています。
したがって、人工イクラやオニオンリングなど、アルギン酸のゲル化能力を応用した食品では、間接的にアルギン酸カルシウムを利用していることになります。

用途

食品添加物としてのアルギン酸カルシウム

アルギン酸カルシウムは、他のアルギン酸塩と異なり水に溶けません。そのため、水を抱いても必要以上に粘らず、作業性を損なうことなく大幅に加水量を高めることができます。アルギン酸カルシウムを配合した多加水パンは、 機械でも容易に成形が可能で、しっかり膨らんだ形の良いパンに仕上がります。
また、アルギン酸ナトリウムとアルギン酸カルシウムを適量混合すると、その溶液はチクソ性のある非ニュートン流体となることが知られています。
曳糸性のない粘性を好むディップソースなどの増粘に適した増粘剤として、海外で利用実績があります。

アルギン酸カルシウムの生理活性効果

アルギン酸カルシウムには、ナトリウム排出によって血圧上昇を抑える、食後血糖値の急上昇を抑える、コレステロールや中性脂肪を体外排出させるなどの有用な生理活性効果が認められています。

  • ナトリウム体外排出、血圧上昇抑制
    アルギン酸カルシウムは、ナトリウムの体外排出効果により血圧の上昇を抑制することが期待できます。
    血圧上昇抑制メカニズム

    摂取されたアルギン酸カルシウムは、胃酸によってCaイオンを手放し、アルギン酸に変わります。この時放出されたCaイオンは体内に取り込まれます。
    その後アルギン酸は腸管の中を進んで周囲のミネラル(主にナトリウム)と結びつき、そのまま体外へ排出されます。

    血圧への影響

    辻ら(注1)は、高血圧自然発症ラットを用いて、アルギン酸カルシウムの摂取による血圧への影響を調べました。アルギン酸カルシウムを摂取したラットは、1%食塩負荷にもかかわらず血圧の上昇が抑制されました。

    また、アルギン酸カルシウムを摂取させたラットは、他の食物繊維を与えたラットに比べて、糞便中へのナトリウム排泄量が最も多かったという結果も示されています。

    (注1)
    参考文献:「日本家政学会誌 Vol.39(3), 187-195(1988)」
    関連記事: 日本経済新聞(2006年4月1日)

  • 血糖値上昇抑制
    食後の血糖値上昇を抑える機能性表示食品の機能性関与成分としてアルギン酸カルシウムが利用されており、臨床試験により、血糖値上昇を抑える効果が実証されています(注2)

    【血圧上昇抑制のメカニズム】

    アルギン酸カルシウムなし
    急激な血糖値の上昇

    食事で摂った糖質はα-グルコシダーゼの働きによりブドウ糖に分解され、血液中に吸収されます。多量の糖質を摂取すると急激な血糖値の上昇が起こります。

    アルギン酸カルシウムあり
    急激な血糖値の上昇を抑制

    アルギン酸カルシウムがα-グルコシダーゼの働きを阻害し、体内への吸収を防ぎ急激な血糖値の上昇を抑制します。

    • ブドウ糖

    • 食事で摂った糖質

    • グルコシダーゼ糖を分解し、吸収しやすくする消化酵素のひとつ

    • アルギン酸
      カルシウム

    【血糖値の変化量の推移】

    アルギン酸カルシウムを配合した麺を用いた臨床試験では、血糖値上昇を抑える効果が実証されました。

    血糖値の変化量の推移

    対照食、試験食(アルギン酸カルシウム5%配合)

    対象:健常な男女22名
    試験食:アルギン酸カルシウム配合麺
    方法:試験食を単回摂取させ、その後の血糖値を比較

    (注2) 参考文献:「薬理と治療,Vol.46,2083-2089(2018)」

  • コレステロール及び中性脂肪吸収抑制
    アルギン酸は腸内に分泌された胆汁酸を絡め取り、再吸収を防いで排泄させます。胆汁酸はコレステロールの原料なので、再吸収を防ぐことで血中コレステロールが低下し、動脈硬化の予防に役立つことが知られています(注3)
    また、アルギン酸カルシウムは食事で摂った中性脂肪も同様に絡め取り、吸収を防ぎ体外へ排出します(注4)

    【コレステロール吸収抑制のメカニズム】

    アルギン酸カルシウムなし

    食事で摂ったコレステロールはそのまま血液中に吸収されます。コレステロールを過剰に摂取すると血管壁に入り込んで、動脈硬化のリスクが高まります。

    アルギン酸カルシウムあり

    アルギン酸カルシウムは、腸内の胆汁酸を包み込んで便とともに排出します。減少した胆汁酸を補うため、胆汁酸の原料であるコレステロールがさらに消費され、血中コレステロールが減少します。

    • コレステロール

    • 胆汁酸胆のうでコレステロールから作られ小腸に分泌される消化液

    • アルギン酸
      カルシウム

    【血中コレステロール濃度】

    【血中コレステロール濃度】

    アルギン酸カルシウムを摂取することで、血中コレステロール濃度が有意に低下することが確認されました(コレスチミド(陽性対照)と同等)(注3)

    【中性脂肪濃度】

    【中性脂肪濃度】

    アルギン酸カルシウムは、難消化性デキストリンよりも効果的に中性脂肪濃度の上昇を抑制しました(注4)

    (注3)
    参考文献:「Biological and Pharmaceutical Bulletin Vol.39,62-67(2016)」

    (注4)
    参考文献:「Biological and Pharmaceutical Bulletin Vol.42,365-372(2019)」

  • 食物繊維補給

    海藻は健康イメージの強い食品ですが、一方で必要以上に食べすぎるとヨウ素の過剰摂取により健康を害することも知られています。有用なアルギン酸を摂るためとはいえ、海藻を大量に食べることは決して良いことではありません。また、海藻の体は消化しにくいセルロースで覆われており、食べた海藻が未消化のまま排泄されることも多くあります。そうなると、肝心のアルギン酸は満足に働かないまま体の外へ出てしまうことになります。

    キミカは海藻からアルギン酸カルシウムだけを抽出し、高度に精製していますので、海藻そのものを食べるよりもはるかに効率的に、そして安全に食物繊維を摂取することができます。

  • 便通改善

    食物繊維であるアルギン酸は、腸内で水分を抱え込んで膨潤し、便を柔らかく、かさを増やします。その結果、腸が刺激され便通が改善します。

  • カルシウムの補強

    カルシウムは骨や歯の形成に不可欠な栄養素です。アルギン酸カルシウムは不足しがちなカルシウムの供給源としてもご利用いただけます。

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