医療用アルギン
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増粘剤、ゲル化剤として幅広い分野で利用されているアルギン酸。そのユニークな性質は医薬品や医療機器などにも大いに活かされています。さらに、再生医療をはじめとする最新の医療技術においても、多くの研究者から注目を集めています。
キミカでは、医療分野からの高度な要求にお応えできる、様々なタイプの医療用アルギン酸製品をご提供いたします。
特徴
GMP対応
キミカはアルギン酸製品を医薬品の原薬として供給するため、千葉プラントで医薬品製造業許可を取得しております。
千葉プラントでは、原薬GMPに適合した生産体制で、高品質のアルギン酸製品を原薬、医療原料として供給することができます。
低エンドトキシン
アルギン酸のパイオニアとして長い歴史を持つ当社が長年の研究を経て、エンドトキシンを除去する技術を確立させました。それにより、注射などで直接体内に投与できるよう、エンドトキシンを十分に低減したアルギン酸製品をご用意しております。詳細はこちら
超高精製度
アルギン酸に含まれる不純物を徹底的に取り除いた、精製度の高いアルギン酸製品を供給いたします。あらかじめ0.2μmフィルターによるろ過を施すことも可能です。
用途
医療用医薬品
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- 消化性潰瘍用剤(原薬)
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なめらかな粘性を持ち、酸やカルシウムによって一瞬で不溶化するというアルギン酸独特の性質が、消化性潰瘍や逆流性食道炎を治療する医療用医薬品に応用されています。
アルギン酸ナトリウム水溶液を主成分とする医薬品(液剤)を服用すると、粘性を帯びたアルギン酸溶液が胃壁に付着します。また胃壁からの出血があれば血液中の鉄やカルシウムと反応して柔らかいゲル状となり、患部を覆います。このゲルが胃酸による胃壁への攻撃が和らげ、疼痛を防ぐと共に治癒を促進します。
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- 制酸薬(原薬)
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これもアルギン酸ナトリウムを配合した経口薬です。服用すると、胃酸で不溶化したアルギン酸が半固形の状態で胃の中に浮かび、その結果胃内容物の逆流を防いで胸焼けを抑えるという効果を発揮します。
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- 崩壊剤(医薬品添加物)
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硬く打錠した錠剤を消化管内で適度に崩壊させ、薬効成分の放出を助ける補助剤を「崩壊剤」と呼びます。一般的な崩壊剤にはデンプンなどの粉末が使われ、服用後に胃の中で水分を吸って膨潤することで、錠剤を崩壊させる働きをします。
アルギン酸は酸性で不溶、アルカリ性で可溶という性質があります。このアルギン酸を崩壊剤として配合した場合、錠剤中のアルギン酸は胃の中(酸性)では膨潤せず、pHの高い消化管へ進んで初めて膨潤し、錠剤を崩壊させます。薬効成分の放出時期を遅らせるような錠剤を設計するとき、アルギン酸が利用されています。
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- 点眼薬(医薬品添加物)
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アルギン酸を配合した点眼薬は、点眼後に涙液中の微量なカルシウムと反応して増粘します。その結果、薬効成分が眼球表面に滞留する時間を延ばすことができます。
点眼薬の滞留時間を延ばすことによって、薬効成分の濃度を落とすことができ、また点眼回数も減らせるなど、患者さんのストレスを軽減できるメリットがあります。
医療機器
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- 歯科印象材
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歯科治療に用いる口腔内の模型(歯科印象)を作る時、患者の歯へかぶせてその形を写し取る型取り材を「歯科印象材」と言います。アルギン酸のゲル化システムを利用した「アルジネート印象材」は扱いが簡便で印象採取の失敗が少なく、しかも低コストである事から、世界中の歯科医で利用されています。
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- 創傷被覆材
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外傷を治療する際、創面をなるべく乾燥させないように保護し、湿潤状態を維持するための「創傷被覆材」として、アルギン酸を繊維状またはスポンジ状に加工したものが利用されています。
アルギン酸を用いた創傷被覆材は、創面から滲出する体液によって接触面がゼリー状に膨潤します。これが湿潤状態を維持するのに役立つと共に、被覆材を剥がすときには創面を傷めることなく、痛みもありません。褥瘡(床ずれ)のような範囲の広い創傷治療に利用されています。
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