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創業の精神にみるサステナビリティ

天恵の資源、海藻。
有効に活用できないだろうか。

創業の精神にみるサステナビリティ

天恵の資源、海藻。
有効に活用できないだろうか。

かつて、房総半島の浜辺には、打ち上げられた海藻が見渡す限りに広がっていました。
第二次世界大戦の最中、日本中が困窮した時代に、この光景を眺めるひとりの若者がいました。
「海藻は天恵の資源だ。ただ腐らせていてはもったいない。有効に活用できないだろうか」
こんな若者のひらめきから、当社は誕生しました。

ひらめきから社会貢献へ

1938年、笠原文雄は戦場から傷病兵として帰還。軍に転地療養を命じられ気候の温暖な房総半島に向かい、千葉県君津郡(現 君津市)の民間療養施設に落ち着きました。信州育ちの文雄にとって眼下に広がる海岸線は新鮮な光景でした。

「海藻こそが海洋国家・日本に与えられた天恵の資源ではないか。
海藻資源を無駄なく有効に利用することで存亡の危機にある国家のお役に立ちたい」

▲創業当初の笠原文雄

戦火が激しさを増し、日本中が物資不足に困窮した時代。無尽蔵に浜辺に打ち上げられる海藻を前に、文雄の思いは日に日に増していきました。
文雄はまず、海藻からヨウ素やカリウムを抽出しようと考えました。本来、ヨウ素やカリウムは鉱物資源からつくる物質ですから、日本列島の周辺海域に繁茂する海藻から抽出することは資源調達戦略からみて極めて重要な意味を持ちました。しかし研究を続けるうちに、天然の食物繊維“アルギン酸”に目を付けました。そして1941年5月、27歳の文雄は「海藻資源の有効利用を通じて社会に貢献すること」を目的に君津化学研究所(現キミカ)を設立しました。

当時の日本にはアルギン酸に関する文献・資料は皆無に等しく、羅針盤すらないままに、たった一人で未知の荒波に乗り出したのです。
文雄は、71歳でその生涯を閉じるまで“海藻化学”の研究に心血を注ぎ、アルギン酸の工業化を成し遂げました。文雄が取得したアルギン酸関連特許は20以上に及び、名実ともに「海藻化学の父」としてアルギン酸の普及・発展を主導しました。
こうした創業の精神は、いまなお脈々と当社に受け継がれています。

創業の精神を体現する取組み

▲チリの浜辺に打ち上げられた海藻

海藻を“天恵の資源”と考える当社では、生きた海藻を刈り取ることなく、いまなお浜辺に打ち上げられた海藻を主原料にしています。 浜辺の海藻をひとつひとつ収集することは、大型船で沖に出て海藻を刈り取ってしまう方法に比べて手間の掛かる方法ですが、海洋資源保全のために重要なことだと考えています(※)。また、当社ではアルギン酸を抽出したあとの海藻残渣を捨てることなく飼料、肥料、土壌改良材として有効活用しています。これも「海藻資源を無駄なく有効に利用する」という創業の精神を体現した例のひとつと言えるでしょう。
※現在は海洋資源保護政策により、チリでの海藻刈取りは禁止されています。当社は法律で禁じられる遥か前から、刈取りでない海藻を選び、原料として利用してきました。

SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS

株式会社キミカは持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。

  • 利用されることなく朽ち果ててゆく海藻を有効活用
  • 生きた海藻を刈り取ることなく、浜辺に打ち上げられた海藻を利用
  • 海藻残渣は捨てることなく飼料、肥料、土壌改良材として有効活用

環境方針

わたしたちは、

  • 創業の原点「もったいない精神」を継承し、天恵の資源を余すことなく有効活用して経済価値/環境価値/社会価値を創出します。
  • 漂着海藻を原料とするものづくりを継承し、そのサプライチェーンを安定化して海藻を乱獲の脅威から守ります。
  • 電力や熱源、水資源、化学薬品を極力使用しない生産スタイルを継承し、再生可能エネルギーも積極的に活用します。
  • 環境保全を事業継続の最重要課題とする位置付けを継承し、その取り組みを継続的に改善します。