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アルギン酸とサステナビリティ

持続可能な社会を支える
アルギン酸のアプリケーション

アルギン酸とサステナビリティ

持続可能な社会を支える
アルギン酸のアプリケーション

  • JAPAN SDGs Award
  • alterna SUSTAINABLE SELECTION
  • 環境大臣賞優秀賞

アルギン酸のサステナビリティへの貢献は
漂着海藻にこだわる原料調達、エネルギー消費を最小化した製造工程だけではありません。
アルギン酸は、SDGsの達成に不可欠な素材として
持続可能な社会づくりに貢献しています。

食料不足から世界を救う「プラントベースミート(植物性代替肉)」

▲プラントベースミート(植物性代替肉)

世界人口の増加によって、食料不足が深刻化しています。特に、畜肉の供給量は限界に達しつつあり、近い将来、タンパク質が不足すると危惧されています。こうした食料問題の解決策として期待されているのが、大豆などの植物から取り出したタンパク質を本物の肉そっくりに加工する技術です。
「プラントベースミート(植物性代替肉)」は、畜産がもたらす環境負荷(※)を軽減するための解決策としても注目されており、持続可能な社会の実現に不可欠な技術です。

アルギン酸は、こうした技術を陰で支える立役者です。
プラントベースミート(植物性代替肉)は畜肉と異なり混捏しても粘りが出ません。そのため、例えばバーガーパテのような形状に加工するためには、高い結着力を持つ「バインダー」を加える必要があります。アルギン酸のユニークな物性はそうした加工結着や成形にうってつけで、プラントベースミート(植物性代替肉)の製造に幅広く活用されています。

※畜産は環境負荷が大きく、国連(食糧農業機関)のレポートでは「畜産は環境問題の最も重要な原因のひとつ」であり「温室効果ガスの18%が畜産によるもの」と報告されています。

サメを乱獲から守る「人工フカヒレ」

アルギン酸で作る人工フカヒレ ▲アルギン酸で作る人工フカヒレ(イメージ)

天然のフカヒレは高値で取引される高級食材です。そのため、世界各地でフカヒレを目当てとしたサメの乱獲が起きて問題となっています。さらには、生きたままヒレだけを切り取って傷ついたサメをそのまま海に投げ捨てる残虐な行為が後を絶たず、天然フカヒレの流通自体を禁止する国が増えています。

こうした問題の解決策として期待されているのが「人工フカヒレ」です。アルギン酸のゲル化システムを利用して紡錘形に加工すると、見た目も食感も天然フカヒレと遜色のない人工フカヒレを作ることができます。人工フカヒレは30年以上前から世界中に普及しており、単なる「コピー食品」の域を超え、サメを傷つけることなくフカヒレ料理を楽しむことのできる「サステナブルフーズ」として持続可能な社会づくりに貢献しています。

コレステロールもアレルギーも気にせず食べられる「人工イクラ」

アルギン酸で作る人工イクラ ▲アルギン酸で作る人工イクラ(イメージ)

独特の食感と濃厚な味わいが人気の「イクラ」。世界的な寿司ブームによって、海外でも人気が高まっています。

しかし、イクラには100gあたり480mgもコレステロールが含まれており、控えざるを得ない場合も。また、魚卵アレルギーで食べられないお子様も少なくありません。

こうした悩みを解決するのが、アルギン酸で作る「人工イクラ」です。 かつて「コピー食品」と揶揄された技術も、近年ではコレステロールやアレルギーを気にせずイクラを楽しめる 「食卓の救世主」として認知されています。

アルギン酸は海藻から抽出された天然素材ですので、ビーガン(完全菜食主義者)の方も安心してイクラの食感を楽しむことができます。

地球温暖化により海産物の資源量は年々減少していると言われています。 この技術は、健康志向や食の多様化だけでなく、環境志向に対するニーズにも応えられる技術として、インクルーシブな社会の実現に貢献しています。

食品ロスを減らす「結着技術」

食べられる食品が廃棄されてしまうことを「食品ロス」と言います。世界では毎年13億トンもの食品ロスが発生しており、持続可能な社会作りの課題となっています。
食品ロスの要因のひとつが食品加工場で発生する「端材」です。規格に沿う商品を形作るために食材の一部を切り取ること自体はやむを得ないことですので、端材の発生をゼロにすることはできません。

そこで注目されているのが、端材同士を繋げることで価値ある商品に生まれ変わらせる「結着技術」です。アルギン酸を活用すると、端材となった肉同士を繋げて一枚の肉を形作ることができます。野菜同士を結着することもでき、たとえばオニオンリングの加工には長年アルギン酸が利用されています。

楽しく安全に学べる「実験キット」

▲イクラ風ゼリー実験セット

1価のアルギン酸(アルギン酸ナトリウム)は水に溶けて液体になります。しかし、カルシウムなどの2価イオンと接すると、化学反応(イオン交換反応)が起こり瞬時に固体(ゼリー)になります。

海藻由来の食物繊維であるアルギン酸は、口に入れても安心です。危険な試薬や火を使った加熱も必要とせずに手軽に化学反応を体感できるアルギン酸の実験セットは、学校教育の現場で広く支持されています。SNS上で「水が掴める実験キット」という口コミが広がったことで、ご家庭での夏休みの宿題に活用頂く例も増えています。
近年は、SDGsの理解を深めるための体験型教材として活用されるなど、アルギン酸は「質の高い教育」機会の提供に一役買っています。

健康寿命を引き延す「再生医療」

心身ともに自立して健康に過ごせる期間を「健康寿命」と言います。健康寿命と平均寿命の差は介護が必要な期間となるため、高齢化が進む日本が今後も持続的に発展を遂げるためには健康寿命を延ばすことが大切です。そして、そのカギを握る技術となるのが「再生医療」です。

アルギン酸は、生体に投与しても無作用な「バイオマテリアル」として再生医療に応用されています。例えば、膝の軟骨がすり減って歩けなくなった患者さんの膝にアルギン酸を注射すると患部でゲル化して必要な場所にとどまり、軟骨細胞の再生を促す足場として働きます。足掛け10年に及んだ研究は臨床試験の最終段階まできており、実用化が間近に迫っています。
他にも、人工臓器を制作する3Dバイオプリンタのインク(基材)としてアルギン酸が利用されるなど、再生医療の分野でアルギン酸の注目度は年々高まっています。

SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS

株式会社キミカは持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。

  • 植物性タンパク質の利用技術として食料不足の解消に貢献
  • 植物性タンパク質の利用技術として畜産の環境負荷軽減に貢献
  • 人工フカヒレでサメの生態系保全に貢献
  • 食品端材の活用技術として食品ロスの削減に貢献
  • 安全で手軽に楽しめる実験セットによる教育機会の提供
  • 再生医療に応用されて健康寿命の延長に貢献

環境方針

わたしたちは、

  • 創業の原点「もったいない精神」を継承し、天恵の資源を余すことなく有効活用して経済価値/環境価値/社会価値を創出します。
  • 漂着海藻を原料とするものづくりを継承し、そのサプライチェーンを安定化して海藻を乱獲の脅威から守ります。
  • 電力や熱源、水資源、化学薬品を極力使用しない生産スタイルを継承し、再生可能エネルギーも積極的に活用します。
  • 環境保全を事業継続の最重要課題とする位置付けを継承し、その取り組みを継続的に改善します。