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研究開発を牽引する
パラグアイ出身博士

医療材料製造部ゼネラルマネジャー

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研究開発を牽引するパラグアイ出身博士

南米のパラグアイ出身の日系二世。パラグアイは、ブラジル、ボリビア、アルゼンチンと国境を接する内陸国。広大な草原での牧畜と牛肉消費大国として有名だ。

「ことあるごとに家族や友人・知人が集まってアサード*を楽しみます。そんなには食べられないのですが、一人あたり約1kgの牛肉を用意して豪快に焼く。私はアサードに育てられたようなものです(笑)」
*アサード:パラグアイやアルゼンチン、ウルグアイ、チリなどで好まれる、肉の塊やソーセージなどを炭火(熾火[おきび])で焼くバーベキューの一種。味付けは岩塩のみで、各国のソウルフードになっている。

地元の大学を卒業し、パラグアイ厚生省に入職するものの、外国で学びたいという強い想いを抱いていた。その想いを実現したのは、日本・文部科学省の「国費外国人留学生制度」だった。難関の選考考査を経て見事合格。2000年に来日して、広島大学大学院で「天然物有機化学(海洋産生理活性物質の探索・構造決定)」についての研究に従事し、博士号を取得した。

「通常は、まず日本語習得を1年間課せられるのですが、日本語が話せたので免除され、大学院に進みました。元々の専門は環境汚染物質の分析でしたが、担当教授が天然の新規物質を研究されていて、パズルのように一から構造を分析し組み立てていく課程があまりにも楽しくて、のめりこみました。海のない国で育ったので、海洋性物質を研究することも新鮮でした」

博士号を取得して一旦帰国。父が経営していた企業を手伝っていたが、スペイン語と日本語、そして自分の専門が活かせる場を求めて、南米に現地法人を持つ日本企業をネットで検索し、KIMICAと出会うことになった。

「日本の本社に直接メールしたら、『ぜひ一度お目にかかりたい』と返信がありました」

たまたま広島大学の恩師が退官することになり、挨拶に来日するタイミングと重なったため、本社で面接を受けることになった。

「現在までずっとお世話になることになりました(笑)。元々分析が大好きで毎日が楽しかった。入社3年目頃からお客様とやり取りすることが増え、要望に応えるために新たな分析法を開発する面白さも知りました」

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Privateの楽しみ

休日は、二人の子どもたちと実験や自然観察を楽しんでいます。《実験》とは、アルギン酸が採用されている知育菓子などを使ったスイーツ作り。粘度を調節したり、食用色素で着色して粒ゼリーやグミを作って一緒に食べること。子どもたちは、自分で作って食べることが楽しいようです。色素を混ぜて、さまざまに変化する色彩の不思議が面白いようで、まずやってみて、答え合わせをしながら夢中になっています。自然観察は、花を植えて、一緒に成長過程を観察しています。子どもたちは観察日記をつけているのですが、いろいろ自然と触れ合いながら過ごす時間は私にとっても癒しになります。

アルギン酸は想定を越えたパワーを持つ素材

現在は、次代の事業の《柱》となることが期待されている、医療材料用アルギン酸の製法開発・分析開発を統括するという重責を担う。

「アルギン酸は薬ではありませんが、これまで時間を要したり、困難だった症例治療を大幅に改善する、医療材料としてのポテンシャルを秘めています。現在開発している効果はもちろん、どこまで用途が広がるのか、想定を超えたパワーを持つ素材なので、楽しみでしかたありません」

仮説を立て、それを証明するためのデータを提出するのが仕事の中心。ダメなデータ、無駄なデータというのはなく、得られたデータをどのように活かすかが重要だ。難しい案件ほど、問題解決の糸口を見いだせたときの達成感は大きくなる。

「たとえ仮説が間違っていたとしても、『なぜ? どうしてだろう?』って調べて、考えて、その理由を解明することに、いまもワクワクしてしまいます!」

子育てと仕事が両立できる働きやすい会社です。

2015年と2018年に産休・育休を取得した。KIMICAは元々《家族第一主義》を掲げ、産休・育休を推奨・運用してきた。

「当社は、子育てと仕事が両立できる働きやすい会社です。『産休・育休に入るときに申し訳ない気持ちになって……』とか聞くこともありますが、そんな心配はまったくありません。上司も仲間も、みんなが心から祝福してくれて出産に臨めます。職場復帰後も、突然の子どもの発熱とかがあったとしても『心配ですね、お大事に』と、家族のことを優先させてくれる。周りの対応が自然なんです」

ほとんどの人は、気楽に話しかけてくれるが、若いメンバーの中には、話しかけるときに「緊張しているな」と感じることもあるという。しかし、多様性を体現する、深くて広い経験・知識を惜しみなく、分け隔てなく後進に伝えたいという想いは強い。そして、立場を超えて、臆することなく質問し議論するときを待っている。何より、生来の明快で明るいコミュニケーション能力があればこそ、若手の《遠慮・気兼ね》は自ずと解消されるに違いない。