産休・育休のパイオニア
品質保証のキーパーソン
信頼性保証本部ゼネラルマネジャー
# 女性経営層
# 産休
# 育休
# 育児との両立
柔和でにこやか。口調も穏やかで、周りを和ませる空気を醸し出す。KIMICA製品の対外的な信頼を担保する担当業務──「品質管理」と「品質保証」の違いとは何かを聞いてみた。
「品質管理は、原料の受入試験や製品の出荷試験を行い、その結果から受入(出荷)の合否を判断する仕事です。一方品質保証は、試験は正しく実施されたのか? 手順通りに製造されたのか? といった社内の管理状況や法規制を確認したり、取引先から要求された情報を提供するための書類を作成するといった仕事です」
子どもの頃から理科の実験が好きだった。大学では理学部化学科で「泡」をテーマに研究した。飲料やパン、ケーキなどの製造工程で「泡」が関わる食品や化粧品に興味があり、パンの品質改良剤や飲料の泡沫安定剤などに利用されているアルギン酸メーカーなら、長く楽しく働けそうと感じて就職。入社後は、アルギン酸の食品への応用方法を研究する業務に携わった後、2012年に産休・育休を取得した。
「KIMICAには、以前から産休・育休制度がありました。ただ、色々な事情があって、結婚や出産を機に退職される方が多かったんです。私は、復帰後も時短勤務制度を利用して仕事を続けた。そして、フルタイム勤務への復帰を果たした第1号となりました」
パイオニアとして、出産を控えた社員から相談を受けることも多い。出産・育児に関してKIMICAは、全社を挙げて祝福・推奨・応援してきた伝統がある。「家族第一主義」というスローガンも、言葉だけが一人歩きしているケースも散見するが、KIMICAでは確固とした企業哲学の一つ。心置きなく出産・育児に臨める風土・職場環境がある。そして、人事評価に性差はまったく存在しない。
「職場環境が改善されてきたこともあり、仕事と子育てを両立しながら活躍している女性社員が増えています。管理職として活躍されている女性も増えてきた。いまは全社で、常に1〜2人は産休に入っている感じです。男性社員が育休を取得した事例も出てきていて、これからさらに制度を活用する方が増えることを期待しています」
休日には家族3人で公園に出かけて、のんびり過ごすことが多いですね。キャッチボールなどで体を動かしたり、野球やバスケットボール観戦に出かけたりすることもあります。バーベキューや音楽鑑賞など、家族一緒に楽しむことで、リフレッシュしています。何もしていなくても、振り返れば家族の笑顔がある。それが、仕事を頑張るためのモチベーションになっていますね。
復職から数年で管理職となり、さらに3年後には経営層に抜擢された。品質管理と品質保証を統括することになったのだが、その気負いのようなものは一切感じさせない……。
「いけないことだとはわかっているのですが、(スタッフを差し置いて)ついつい自分でやってしまおうとすることがある。チームメンバーにも、あんまり強く言ったりすることができないというか、そういうのが苦手なんです(笑)。自分のスキルを超えた仕事が多くて、知識や経験が不足していて判断に迷う。判断ミスではないか? と振り返ることもしばしばです……」
肩の力が抜けている! 微笑みながら自分の弱点を語ることができるというのは、自分も周囲も冷静に客観視できているからこそではないだろうか。だからこそ、「部下を大切に」すること、「働きやすさ」を実現すること──部門の人間関係や職場環境には、人一倍気を遣っている。
「心がけているのは、断らないこと。あれこれ迷う前に、『まずやってみる』。わからないこと、苦手なことでも、自分自身の力になると信じて動いてみることが重要だと、メンバーには話しています」
メンバーの話をよく聞くことも大切にしている。定期的に個別・グループで面談し、悩み・不安・要望・苦情などを、細やかに吸い上げるようにしている。そうすることで、日常業務の中では見えていない、チームが抱えている課題が発見できる。
「自分が乗り越えられたものは、みんな必ず乗り越えられる、という想いで指導しています。もう一つ心がけているのは『笑顔を忘れずに』です。苦しいこと、失敗することもあるけれど、笑顔を忘れずにいれば、解決への糸口は必ず見えてくる。失敗を恐れず、さまざまなことに積極的にチャレンジできる──そんな、職場の雰囲気づくりを強く意識しています」
KIMICAは、入社したばかりの若い社員も、アルギン酸に関わる様々な業務に携わることができる。「決まったことだけやっていればいい」というトップダウンではなく、「こんなことはどうだろう? こんなことはできないだろうか?」と言ったボトムアップの発言・提案を自然に受け入れてくれる。
「世界中の人たちの生活に1つでも多くアルギン酸が関わり、幸せが訪れるような瞬間に立ち会っていきたい……」
アルギン酸の品質、安全性を保証する立場に立つ、経営幹部が夢見る「世界の人たちの幸せ」は、KIMICAの願いとシンクロしている。