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男性育休を取得した
30代の営業トップ

営業本部本部長(取締役・執行役員)

# 30代

# 経営層

# 男性育休

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男性育休を取得した30代の営業トップ

取締役執行役員として、また営業本部長として、会社の舵取りを担っている。そこに至るまでの道のりが興味深い。大学では生命科学を専攻。卒業後、カリフォルニア大学バークレー校の研究員を経て、総合商社、大手製薬企業に勤務したのち、KIMICAに入社した。

「そもそもは研究者の道を歩むつもりでした。自分なりに自信もありました。ところがアメリカで、思いもかけない挫折感を味わいました。直属の上司にあたる教授が後にノーベル賞を受賞することになる天才科学者で、同僚もハーバードやケンブリッジ、MITといった世界屈指の大学を首席で卒業してきた逸材ばかりだったんです」

冷静に自分の将来像を見つめる中で、導き出した決断は早かった。

「日本代表でオリンピックに出たら、あっさりと予選敗退した、という感じです(笑)。こんなすごい人たちが切磋琢磨して競い合っている世界に飛び込んでも、きっと報われない。そう結論づけて帰国しました」

総合商社での体験も、いまの自分を語る上で大きな意味を持つものだった。

「石油化学製品を扱う部署で、中東や中国を相手に営業を行っていました。総合商社は取引のスケールが桁違いに大きくて、何百億といった規模の案件がそこら中で動いている。入社したての私が扱う案件も、億単位が当たり前でした。そのダイナミズムに触れられたことは貴重な体験になりました」

しかし同時に、違う想いが心のうちに芽生えてきた。きっかけは、総合商社に比べると小規模ながら、自社の現状・展望を熱く語る、取引先の、若い世代の人たちに巡り会ったことだった。

「私の交渉のカウンターパートだった若い経営者たちが、羨ましく思えてきたんです。ほぼ私と同世代の人たちでした。彼らが、会社、従業員の未来を背負って、一生懸命に闘っている姿に心打たれたんです。総合商社のような規模でなくても、世界から喜んで迎え入れられる、オンリーワンの製品を扱う、誇り高い会社に自分も携われるとしたら……。そんな、漠然とした想いの先にあったのがKIMICAでした」

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Privateの楽しみ

子どもが生まれたばかりで、仕事が終わると飛んで帰ります。男性育休制度を活用したことで子供とたくさんの時間を過ごすことができました。日々成長する姿を見るのが本当に楽しみです。生まれたときは「こんなに可愛い子はいない!」と思ったんですが、さらにどんどん可愛くなってきています(笑)。
また、週末は大学院に通って経営学を学んでいます。いわゆるMBAというやつですね。これまで経験と感覚で捉えてきたビジネスが学問として理論化・体系化されていく感覚がやみつきになり、学び直しを楽しんでいます。

アルギン酸の価値を高めることが目標

現在は本部長として営業の全責任を負う立場だ。取引先は国内だけで1000社以上、海外では50カ国以上に展開している。

「80年以上にわたり開発・蓄積してきた技術力をもとに、『KIMICAにしか供給できない素材』として、アルギン酸の価値を高めることが目標です。アルギン酸は、食品・化粧品・日用品・農業・工業から医薬品・医療機器にまで応用範囲が広がっています。世界で存在感を高めるためには、価格競争でシェアを奪い合うのでなく、KIMICAオリジナルの製品にしかできない提案を行って、新たな価値を創りたいですね」

社員がより力を発揮しやすい環境をつくること。

基本的には東京の本社で執務しているが、週に1度は千葉プラントへ出勤し、製造・開発の現場とコミュニケーションを取っている。

「部門を超えたコミュニケーションの促進を、全社の共通認識として根付かせたいです。営業部門は、製品を国内・海外に送り出す窓口であり、日々変化する市場のニーズを汲み上げ社内に伝える役割を担っています。お取引先の新たな要望があれば、できるだけ速やかにそれを実現、納品したい。一方製造部門は、700品目にも及ぶ製品を遅滞なく製造することに加え、新たなニーズに応えるための開発・製造体制を組む必要がある。そこに、お互いの気持ちのズレが生じかねないわけです。それを防ぐには部門の域を超えた日常的なコミュニケーションしかないと思っています。どの部門に比重が偏っても、会社は前に進めないわけですから」

自分に課しているのは、社員がより力を発揮しやすい環境をつくること。不満や愚痴があるとしたら、それは本人の問題ではなく、会社の組織や仕組みの問題と捉え、それを解消する具体策を考え実行するよう心がけている。そして、社員一人ひとりが自立した戦略と意志を持って、活躍することを願っている。

「『上司に言われたことを実行した』ではなく、『自分で描いた戦略を実行した』という状態をつくりたいんです。『どうしたらいいですか?』という質問には、まず『あなたはどうしたいのか?』と問いかけ、なるべくその意思を尊重するようにしています。ただし、自分の意見もしっかり伝えてフェアな議論をし、最終的な意思決定に責任を負うことからは逃げないことも意識しています。議論する際には、意見を正解・不正解(優劣)という二元論ではなく、多様な考え方によって導き出される可能性を探ります」

自分の手間が増えることよりも、会社全体の効率、ひいては取引先の利益を優先する。与えられた仕事を粛々とこなせばいいとは考えず、他部門の仕事にも興味を持って積極的にフォローに回る──オールKIMICAで、自然に行動できる組織風土を創り出すことが、力を発揮しやすい環境につながると信じている。

「仕事では、『速さ』に価値があると考えています。納期に間に合えばいい、という考えは捨てて、締切が迫る前にとっとと片付ける!ことをモットーとしています。拙速にならないよう気をつけていますが(笑)」

スピーディに軽やかに、そして何より思慮深く、KIMICAの未来を見つめる若き経営者の眼差しは、力強く、頼もしい。