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放射性ストロンチウムの体外排泄について

福島第一原子力発電所の事故に関するTV報道の中で、放射性物質の体外排泄とアルギン酸の関係が紹介され、その番組をご覧になった方々から多くのお問い合わせを頂戴しております。
アルギン酸は、すでに40年以上前から放射性ストロンチウムの体外排泄に効果のある素材として、国内外で研究されている素材です。過去に行われた研究成果について、下記のコラムでご紹介いたします。

<ご注意>
本稿は、アルギン酸と放射性ストロンチウムの体外排泄に関して、公的に発表された研究成果のご紹介のみを目的としております。掲載された内容は、アルギン酸やアルギン酸ナトリウムの摂取による効果を保証するものではございません。

<コラム>

放射性ストロンチウムとアルギン酸

1960年代、米ソを中心に大気圏内の核実験が盛んに行われました。これに伴い、体内に取り込まれた放射性物質の除去剤や排泄促進法に関する研究も数多く行われています。

放射性ストロンチウムの中でもストロンチウム-90は物理半減期が約30年と長く、骨に集まるため核分裂生成物の中でも危険な核種の一つです。生体内ではカルシウムと同じような挙動をとりますが、IAEA(国際原子力機関)は放射性ストロンチウムを大量に摂取した場合、アルギン酸などの投与を考慮するように勧告しています。

アルギン酸は褐藻類の細胞間を充填する粘質多糖で、カルシウムよりもストロンチウムに対する親和性が高いことが知られています。ヒトにアルギン酸を経口投与してから放射性ストロンチウムを投与すると、投与していない場合と比べて体内残留量が約1/8になることが報告されています。また動物実験でも同様の効果があることが確かめられています。


参考資料
1) Hesp R. and Ramsbottom, B., Nature, 208, 1341 (1965)
2) 青木芳朗・渡利一夫編,人体内放射能の除去技術,10-14(1996);講談社サイエンティフィク
3) IAEA Safety Series 47, 110-111 (1978)
4) NCRP Report 65, 12 (1980)